2014年日本口腔インプラント学会第44回学術大会、2015年第25回日本磁気歯科学会におきまして、当院の医院長 山本裕明が磁石を利用したインプラント義歯の全く新しい製作方法を発表いたしました。
2014年日本口腔インプラント学会第44回学術大会、2015年第25回日本磁気歯科学会におきまして、当院の医院長 山本裕明が磁石を利用したインプラント義歯の全く新しい製作方法を発表いたしました。
インプラントとは、自分の歯に限りなく近い人工の歯です。
材質は生体親和性の高いチタンか、骨の成分であるハイドロキシアパタイトを表面にコーティングしたものでできており、顎の骨の中に埋め込む手術を行い、歯の根の部分を再建させその上に歯を作ります。歯を失った部分を、隣の歯や他の歯に力を借りることなく、失った部分だけで修復する・・・それがインプラントです。
現在の治療法の中で、歯を根の部分から回復できるのはインプラントしか無いため第二の永久歯とも言われ、天然の歯と同じように噛むことができます。また、治療後は自宅での正しいケアと、定期検診をきちんと行うことにより長期に渡って安定した状態を保つことができます。インプラント埋入手術に伴う不自由さと痛みの程度、および、その継続期間は天然歯の抜歯と同じくらいと考えてください。
埋入手術は局所麻酔下で行います。
これまでは顎骨を露出し、そこにインプラントを埋入し傷を縫合していました。やがてインプラントは周囲の骨と結合し、安定します。インプラントと骨が結合するまでの間、定期的に検診を行い、インプラントの状態をチェックします。約6~24週間でインプラントは周囲の骨と完全に結合し、その後にヘッド部を装着します。
しかし最新のインプラント治療では、上の写真のように骨を露出することもなく、痛みもほとんどなく、その日のうちに仮の歯をいれてお帰りいただくことができるようになりました。
インプラント治療を行う上で1つの重要なポイントは、インプラントを埋入する部分の骨の状態です。この骨の状態が悪い場合には、インプラントが骨と結合する確率が低くなってしまいます。また埋入するインプラントのサイズと埋入する位置を術前に決定できることで次のようなメリットが生まれます。
LANDmarker(ランドマーカー)とは、CT撮影された画像をコンピューター上で3D化(立体化)する診断用のソフトウェアです。この装置を使うことにより、従来のレントゲン写真に比べ、より正確に顎の骨の状態を知ることができます。
この診断用に立体化された画像上で、インプラント手術のシュミレーションを行い、最適なインプラントの埋入位置を3次元的に決定し、その位置をお口の中で再現させるために作られたガイドがサージカルテンプレートです。
LANDmarker(ランドマーカー)では3D化された画像をあらゆる方向から見ることが可能となり、埋入する部位の縦横の断面図も知ることができます。これにより、治療期間の短縮・痛みの軽減・利便性など患者様に優しい治療を行っております。
インプラント治療における診断にご興味のある方はこちらをご覧ください。
日本口腔インプラント学会/インプラント治療における画像診断
初診時に、現在のお口の中の状態、インプラントについての説明、他の治療法との比較、インプラント治療の流れ、治療期間・費用の概算などについて説明します。
インプラント診断に必要な検査を行います。お口の中の状態を詳しく調べるために、口腔内診査、歯肉の検査、レントゲン写真撮影、CT撮影、口腔内写真撮影、歯型取り(歯列模型作製)などを行います。当医院では骨密度が測定できる歯科用CTを設置しておりますので、自院内におきまして精度の高い検査が低線量被曝にて行うことが可能です。
これをもとに、ノーベルガイドにて顎骨の状態を3D化し最も良い埋入位置とインプラント本体のサイズを決定します。また補助的処置の必要性もここで検討いたします。
検査結果を元に、最終的な治療目標・インプラント手術に関するご説明、ご相談をいたします。この時に治療見積書、治療計画書をお渡し、契約書にサインをいただきます。
インプラント治療を開始するにあたり、まずお口の中の環境を整えます。
これは非常に大切な処置で、後のインプラント手術の成功のための1つのキーポイントになります。
以上で手術前の処置は終わりです。前処置はインプラント手術に先立って必要と思われる部位を優先的に治療しますから、他に治療が必要な部位は、術後インプラントが骨と結合するまでの間に行います。
手術前にお口の中全体のクリーニングをケアルームで行います。
前処置と同様に術後の感染を防ぐためにも非常に大切な処置です。
当医院では、ノーベルバイオケアー社のリプレイスとブローネマルク、ジンマー社のスプラインとテーパードスクリューベントを使用しています。
詳細をお知りになりたい方は文字の上をクリックして別窓でご覧ください。
これらの種類の使い分けは骨幅や補助的処置の有無によってどちらが適しているか判断します。
手術には1回法と2回法があります。
1回法の場合、患者様としては手術回数が1回であるということと、術後早ければ当日に冠を被せることが出きることがメリットではないかと思います。
2回法は手術が2回になりますし、終了までに2ヶ月から6ヶ月位の時間がかかります。しかし、2回目の手術はインプラントの頭出しですから歯肉を少し切開する程度ですので、手術時間は5分ほどですし、術後の痛みもほとんど心配ありません。
インプラント埋入時の締め付けが十分であれば1回法が可能ですが、それ以外の場合は、骨と十分に結合するのを待つために2回法を採用します。
手術直後に、今まで装着していた入れ歯を修理して使用します。
前歯の場合は、インプラントを埋入する両サイドの歯に仮歯を接着させて、使用していただきます。
歯科インプラント埋入時に、プロビジョナル・インプラント(補助インプラント)を歯科インプラントと組み合わせて顎骨に埋入することができます。(暫定的な仮歯を付けて診療所から帰宅できます)
単純な症例から複雑なものまで、プロビジョナル・インプラントは、歯科インプラントおよび歯肉組織の治癒期間中、暫定的な仮歯をサポートします。インプラント埋入時にプロビジョナル・インプラントによって支持される審美性の高い固定した仮歯を装着します。
1本 | 350,000円 |
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2本 | 650,000円 |
3本 | 900,000円 |
この金額は、CT撮影料それに伴うノーベルガイドによる診断料、補助的処置の費用、上部構造(可能なかぎりジルコニアセラミックを使用)の費用などすべて含んでいますので、これ以上は一切かかりません。(税込みです)
また、医療費控除の対象にはなりますが自費診療のため高額医療費の対象にはなりません。
インプラントの上に取り付ける義歯(上部構造)は3種類あります。
ご要望に応じて費用も変わってきますのでお問い合わせください。
材質的な特徴から、変色や着色が少ないため長期にわたって安定しています。
特に審美的な部位(前歯)に適しています。
当医院では特に問題がない限りインプラントの上部構造としてこれを使用しております。
(写真:上前歯中央から左側1番目の歯がジルコニアセラミックです)
薄い金属の上にセラミックを焼き付けたもので、2005年以前の審美の主流でしたが現在ジルコニアセラミックに完全にとってかわられています。ただしロウ着によってあとから歯を着け足せるメリットがあるので、その可能性の高い方に使用します。
セラミック系の材料とは異なり、歯よりもやわらかいのが特徴です。特に噛み合わせの力が強い方や、歯ぎしりをなさる方、インプラントと噛み合う歯とのすき間が少ない場合などに適しています。しかし、色が金属色になってしまうため、審美的には劣ってしまいます。
そのほかCAF/CAMの目覚ましい進歩により新たな技法・材質が誕生しておりますが、今後検討していきたいと思います。
従来式がドリルで骨に穴を開け、削ってしまうのに対して、こちらでご紹介するインプラント方法は針を刺すだけです。下図を見ていただいてわかるように、どちらが体に優しい手術法であるかは、一目瞭然です。この方法は医学博士 大口弘先生によって開発された治療法で、今では「大口式インプラント」と呼ばれるほど、全国の歯科医師が注目している新治療法になります。
「従来式」のインプラントでは、ドリルで開けた穴とインプラント体との間に隙間が生じて、それがぐらつきや不安定の原因になっていました。しかし、大口式ではその隙間はほとんどありません。それどころか、いったん押し広げられた骨が元に戻ろうとして、インプラント体の周りを締め付け、確実な初期固定を得ることができます。
噛み合わせは対合する歯と噛み合う位置が大事です。「従来式」だと、一度ドリルで削ってしまうとやり直しがきかなく、方向が失敗してしまうと、もうそれまでです。一方ドリルを使わない『大口式』では極細の針を腕の力だけでソフトに押し込んでいき、徐々に太い針に変えていく方法なので、細かな方向の調整がしやすいのです。最高の噛み合わせが得られやすく、術者にも患者様にもすぐれた手術法です。
これまでのインプラント治療ではドリルで骨を削るため、顎の骨を削ってしまったり、神経を傷つけてしまうような医療事故も起こってました。ですが、ご紹介するインプラント方法では、最初に開くのは糸ほどの小さな穴ですし、それを少しづつ太い器具に交換していくだけなので、「誤って貫通させる、神経を傷つける」といった事故は起こりようがありません。
2009年よりCT撮影のデータから患者様の顎の3D石膏模型(写真)を製作することが可能となりました。当医院でもこれまで難手術の30人ほどの患者様で使用しております。この患者様は上顎左に直径3.5mmのインプラントを2本、4mmのインプラント1本埋入しましたが、ご覧のように手前は骨幅が3mmしかありません。(写真に写っているドリルの直径は2mm)このような方の場合骨を削ってインプラントを埋入しようとすると、骨がなくなってしまいます。このような方には大口式は最適です。
津田歯科医院では、重度の歯周病の方やインプラントをご希望の方で骨の量を増やす必要がある場合などのために、従来のPRP(美容外科では、肌の若返りにこれを使用しています)にかわる再生医療の最先端であるCGF(concentrated growth factors)を作製、再生医療に応用しております。 これは患者様の血液に添加物をいっさい加えずに専用遠心分離機にかけて、血小板や成長因子を豊富に含んだ完全自己血由来のフィブリンゲルを抽出し、これを用いて患者様に必要な組織を再生させる療法です。
すべて患者様自身の血液からつくられるものですから、安全性と治療成績は飛躍的に向上します。この画期的な療法は、歯周病でご自身の骨を失ってしまった方や骨の量が少なくてもインプラントで自分の歯と同じように噛んで、おいしく食事がしたいとご希望の方にたいへんな朗報となります。
当医院ではご希望のかたに、作製費用1回1万円にて治療に応用しております。
※表示金額は全て税込みです。
インプラント治療において顎骨が著しく減少している患者様の治療の場合、上顎洞挙上術や骨移植術などが必要とされる場合が多々あります。
最近ではショートインプラントやオールオン4などの技術で対応する場合もありますが、やはり骨に手を加えなければならない症例は少なくありません。骨を切削する場合、通常は骨切削用のドリルを使用します。しかし、ドリル切削では様々なリスクや欠点が多かったのも事実です。
たとえば、上顎洞挙上術では、骨を切削する際に洞粘膜を損傷する可能性がある。
そのため、手術自体、非常に繊細な技術が必要とされ時間がかかっていました。
また、ブロック骨移植術では切削する際にドリルの直径分の骨がロスしていました。
そこで登場したのが、ピエゾサージェリーです。
切削部分の長さ・深さを正確にコントロールでき、非常に精密な骨切り(Osteotomy)を可能にします。軟組織に損傷を与えず、手軽に安全に骨切削を行うことができます。
この機器は骨を対象とするあらゆる処置に適応できますので、今後活躍する機会が多いでしょう。
従来、インプラントが骨としっかり結合しているかどうかを判断する客観的で再現性のある基準はありませんでした。ペリオテストはそのような問題を解決するために開発されました。
ペリオテストをインプラントに当てて測定ボタンを押すと電子駆動方式によるハンドピースのタッピングヘッドが1秒間に4回歯面を打診します。インプラントが骨にしっかりと固定されていれば安定度が大きく、インプラントを軽打したタッピングヘッドは、より速く戻ります。歯槽骨とインプラントの固定が不十分だったり異常があるとタッピングヘッドの接触時間が千分の数秒変化します。1回の測定で16回打診を行い、微妙な接触時間の差異をマイクロコンピュータが正確に算出して平均値を-8~+50の数値で「ペリオテスト値」として表示します。この値がマイナス値になれば、インプラント本体と骨とが十分に結合(オッセオインテグレーション)したものと考えられ、最終的な冠を被せることができます。
この測定値はインプラントの骨との固定度を示す客観的な数値として再現性があり、診断にとって信頼性の高いものです。
津田歯科医院ではインプラントの埋入手術時の初期固定の確認、免荷治癒期間の経過観察、補綴のタイミングの決定、定期検診時の経過観察などにペリオテストを利用し客観的なデータを基に治療を行っています。
手術中の患者様の血圧は、通常120の血圧の方でも160近くまで上昇します。歯の手術とは言え、患者様の心身に掛かる負担は大きなものになります。血圧・心電図・酸素飽和度モニターは、インプラント手術と言えども、要になる機器です。
津田歯科医院では『笑気吸入鎮静法』という、痛みや恐れを感じず緊張もしない、うたたねのような気分で手術ができる麻酔を用意しています。
患者様の不安を取り除くことができますし、高血圧などの疾病をお持ちの方の容体の急変を予防することも可能となります。
実際に『笑気吸入鎮静法』を行われた患者様からは「きづいたら手術が終わっていた」「やってよかった」と大変ご好評です。
こちらはインプラント埋入時、ご希望の患者様には無料で行っています。
ただし毎日お酒をお飲みの方などは静脈内鎮静法という麻酔法が必要となることがあります。
こちらは、麻酔科医が身体の状態を監視しながら行います。
インプラントのチタンは空気中の二酸化炭素の炭素原子が表面に結合することで、骨との接触率が低下し成功率が落ちることがわかってきております。そのため活性酸素を発生させ炭素原子を取り除く装置がこの光機能化装置です。
半導体メーカー等ではごく当たり前の技術で、キセノンランプを使用した洗浄を行っていますが、当院では低圧水銀ランプを使用した光機能化を行っています。
通常この装置は術中術後の患者様の呼吸管理に使用するものですが、当院では睡眠時無呼吸症候群患者の過換気・過呼吸を治療するときの呼気終末二酸化炭素分圧測定に使用し、最適な呼吸法の指導に役立てております。
この呼吸法は喘息患者にも大変有効であることがオーストラリアやカナダでは実証されており、当院の矯正患者様にも応用しております。
津田歯科医院のインプラントには、治療完了後、インプラント本体の破折については、10年の保証その他については5年保証がついています。期間中は、年2回、メンテナンスにご来院ください。
5年保障といってもインプラントが5年しかもたないわけではなく、世界的には40年もっている例もあります。経験的には20年以上という印象です。まれに人工歯根が骨に定着しない場合がありますが、その場合は、1~2年で結果が出ますので、保証期間の範囲内です。